The Journey Log of a Jeweler

ひとりのジュエラーによる世界ジュエリー紀行” みて つくって 恋をして "

Random Note01/ピアスはメイク、ネックレスはポスター、リングはお守り。ジュエリー遣いが上手なマダムたちから学んだアイテム別の役割。

こんにちは、綾野です。

ジュエリーについて、そしてジュエリーを通して考えた人生についてのいろいろを書き残していくRandom Notes。今回はジュエリーの中で最も身近であるピアス(イヤリング)、ネックレス、そしてリングのそれぞれの効果的な使い方について自分の考えを示したいと思います。

ジュエリー遣いがうまいマダムたちを見て気づいた“アイテムごとの役割”

一口にジュエリーと言っても、ピアスやネックレス、リングと種類によってその効果は異なります。それに思い至ったのはニューヨークのとあるアート系イベントにて、司会の女性の絶妙なジュエリー遣いをみた時です。その女性はシンプルなライトグリーンのワンピースに輝きの強いイヤリング、コンテンポラリー系のアートなネックレスを合わせていました。リングは大変恐縮ですがあまり記憶に残っておりません(笑)。とても舞台映えしていて、なぜここまで印象的なのか思わず考えさせられたのですが、それぞれのジュエリーの特性を活かして効果的に使っているからだと思い至りました。

ピアスはメイク、ネックレスはポスター、リングはお守り

まずピアス(イヤリング含む)。ジュエリーの中で最も顔に近いピアスはもはやメイクの一部と言えるでしょう。目元を艶めかせるアイシャドーや口元を彩るリップのように表情にきらめきを与えることも、気になるところから目線をずらすこともできます。以前に『顔タイプ診断』なるものを受けてみたことがあるのですが、顔立ちが直線的でクール系の場合、パールなどの曲線的なピアスをつけると、柔らかい印象が加わってエレガントになるとお勧めされました。ピアスが人の印象に与えるものは大きいということでしょう。

私自身、忙しくメイクをする時間も惜しいがどうにか見た目を向上したい日には、メイクはとりあえず色付きリップだけ塗り代わりにダイヤモンドの一粒ピアスをさっと身につけます。肌がワントーン明るくなる気がして、これだけで自信を損なわずに人前に出られるのです。ピアスはとにかく自分の顔や表情をよく魅せるもの、という目線で選ばれるといいと思います。

対してネックレスはピアスと同じく人からよく見えますが、顔からは少し距離があります。そんなネックレスはまるで“常に自分の体の前に貼っている、言葉のないポスター” のような存在です。自分はこういう人間でありたい、こういうものが好き、といったことを世界に表明するメッセンジャーとして使うことができます。ニューヨークで見かけた司会者の女性は、アート系のイベントだったこともあってかコンテンポラリー系のネックレスをしていました。それだけで「アートが好きな人」という印象を与えることに成功していました。

私がとあるマダムの誕生日会にお邪魔した際には、オランダマダムたちのネックレス遣いに惚れ惚れしたものです。シンプルな服装に合わせられた思い思いの個性的なネックレスは、集まりに花を添えるだけでなく会話のきっかけとしても機能していました。好きなアーティストや思い出の旅行などストーリーが込められたネックレスであれば、褒められついでに話をして自分のことを知ってもらうことができます。ネックレスだけでなくブローチも、同じ意味合いで使えるアイテムですね。

そしてピアスやネックレスとは反対に、他の誰でもない自分自身の目に最も入るのがリングです。他のジュエリーが社会的なものとするならば、リングは最もパーソナルなもの。人からどう見られるかなんて気にせずに、思いっきり自分のためだけにつけて欲しいです。

大好きなものをイメージさせるものであれば、見るたびに幸せな気持ちになれます。自分はサラリーマン時代、仕事のモチベを上げるためにネイルに通っていました。パソコンを叩く爪が可愛いと気持ちを保つことができましたが、それと同じことです。

叶えたい願いや誓いを込めるのにもぴったりです。結婚の証がピアスやネックレスではなくリングなのも、常に自分の目に入り戒めとなるという理由もあると思います。Engagement RingならぬEncouragement Ring、なんて素敵ですね。ふとした時に目に入り心持ちを変えてくれるリングは身につけられるお守りなのです。

以上、私が考えたジュエリーごとの効果的な使い方についてまとめてみました。役割を定義すれば選ぶ際にもブレずにスマートな選択ができると思います。ジュエリーをお選びになる際の参考になりますと幸いです。